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田中雄二『TR-808<ヤオヤ>を作った神々』に対する注釈の試み

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TR-808に、またローランドにかぎらない話も出てくるということなので、今月のはじめに出版された田中雄二『TR-808<ヤオヤ>を作った神々』を入手、興味深く拝読しました。音源の技術の話から特許ビジネスまで幅広いトピックをあつかう良書です。一方「えーっ!?」と思うようなミスも散見され、自分と縁遠いトピックについても鵜呑みにはできないと思わされる本でもありました。正誤表を用意していただきたいところですが、そもそも原因の一端が著者の誤認にあったとすれば私の引っかかった点が訂正されるとはかぎりません。そこでわかる範囲での注釈をひとまずあげておきたいと思います。日本は関西がヨーロッパ方式の50Hz、関東がアメリカ方式の60Hzと家庭用電源の交流周波数が違っており(p.30)
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日常と化したカフカ的迷宮の中で私たちは労働している――フィッシャー『資本主義リアリズム』

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いまごろなんですが、今年の読書はじめはマーク・フィッシャー『資本主義リアリズム』(堀之内出版)でした。これならジジェクやバディウ他を直接読んだほうが早いかも、などとすこし思いつつ、映画の例が多かったりイギリスのすこし前の状況が垣間見えたりして興味深く読めた本でした。中でも秀逸なのは第八章に出てくるコールセンターをカフカ的迷宮にたとえるくだり。それは記憶のない世界、原因と結果が不可解で謎めいた形で結びついており、そもそも何かが起こることが奇跡に思われる世界であって、やがては物事がスムーズに働くように見える反対側の現実へ戻れるという希望さえも失ってしまうような場所なのだ(p.159-160)PR音楽の甲高い音によってところどころ遮られる倦怠感ともどかしさ、訓練も知識も不足している何人ものテレオペレーターに同じつまらない情報を何度も伝えることの繰り返し、しかるべき対象が存在しないゆえに無力なまま募るばかりの怒り。電話をかけてみれば直ぐ気づくように、答えを知っているものは誰もいないし、もし知っていたとしても何かをやってくれるものは誰もいないのだ。(p.160-161)
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