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タグ: 小説

祝人類補完機構全短編邦訳刊行完結

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先ごろ発売されました『三惑星の探求──人類補完機構全短篇3』を持ちまして、コードウェイナー・スミスの全短編の邦訳刊行が完了しました。あなうれしや。未訳作品の役者が伊藤典夫氏でないのは残念ですが、代わりが酒井昭伸氏であは文句のつけようがありません。それに、率直に申し上げて伊藤氏の翻訳を待っていたらあとどれだけかかったか……『第81Q戦争』の訳者あとがきで「近いうちにお目にかけることができると思う」と書かれて早二十年……ただ本の作りには少々言いたいことが。短編によってコメントがついたりつかなかったりして、しかもそのコメントに筆者名が付されていないというのはなんとかならなかったものでしょうか。コメントのあるものは"The Best of Cordwainer Smith"所収の作品で、故に筆者は同短編集の編者であるジョン・J・ピアスである、なんてことは予備知識がなければわからないでしょう。それにコメントを入れたのなら年表も欲しかったところ。またこれは完全に趣味の問題ですが、大野万紀氏の解説は萌えや二次創作といった話題に力点を置きすぎに感じました。…
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ディレイニー「エンパイア・スター」邦訳版変遷概要

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2014年末に国書刊行会から刊行されたサミュエル・レイ・ディレイニー『ドリフトグラス』はディレイニーの中短編をほぼ網羅した(残念ながら「ベータ2のバラッド」が未収)ファン待望の一冊。長らく入手困難だった諸作が手に入るようになっただけでも喜ばしいかぎりですが、目玉はなんと言っても酒井昭伸氏の手による「エンパイア・スター」新訳版収録です。「エンパイア・スター」の邦訳はこれで三度目。最初の邦訳は米村秀雄氏、こちらはサンリオ文庫より単独で刊行。二度目は岡部宏之氏によるもので、こちらは早川書房海外SFノヴェルズの『プリズマティカ』に含まれました。それぞれで単なる訳者の違いにとどまらない差異があるので、ここで簡単にその違いを追ってみましょう。…
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