大事なのはコンセプトの精緻化より、むしろスタッフ間のコンテクスト(共有知)を育むことにある。いい仕事の現場には、その育て方が上手い人がいる。(p.53)多くの仕事は共同作業によって成りたっているのだが、そのことを意識している人はあんがい少ない。コンピュータのソフトウェア開発なんて孤独な仕事の最たるものと思われているかもしれないが、あにはからんや、ソフトウェア開発の過程で生み出されるものはすべてコミュニケーションのメディアであるといっても過言ではないくらいだ。残念ながらそうしたメタレベルの知識が教育される機会は少ない。結果共同作業という意識もつちかいにくい。そのためコンテクストの共有が大事になる、という点についてはあまり他の仕事と変わらない。…
西村佳哲『自分の仕事をつくる』を読む(5)付記
先の回でひとつ引用し忘れたところがあった。