『小さなチーム、大きな仕事──働き方の新スタンダード』(フリード、ハンソン, 2010)によると、ザッポス・ドットコム(靴を中心としたアパレル関連の通販小売店だそうな)のスニーカーはカスタマーサービスへの情熱により他とは違ったものになっているそうです。 ザッポスでは、カスタマーサービスの従業員は対応マニュアルを使用せず、顧客と長時間話すことが許されている。(略)新入社員は(あとでどこに配属されるにしろ)まずカスタマーサービスでの電話の応対と倉庫での作業に四週間を費やす。 (フリード、ハンソン『小さなチーム、大きな仕事──働き方の新スタンダード』「競合相手」-「商品をありふれたものにしない」)…
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ジェネラティブ・アートをはじめるにあたってまずは読むべき本であると言えるピアソン『ジェネラティブ・アート』には多数の図版が掲載されていますが、その大半は(ある意味当然ではありますが)原著出版時の近作でアートワークのページに名前の掲載のない古い作品は数えるほどしかありません。そのうちの一つ、エルンスト・ヘッケルの作品は「Chapter 8 フラクタル」の直前に配置されています。 ヘッケルについてはフィリップ・ボール『かたち』が彼の描いた精細で魅力的なスケッチとともに紹介しています。ドイツ・ロマン主義者としての、人種主義・反ユダヤ主義と結びついたナチズムにつながる姿を。…
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ソフトウェア技術書温故知新、第三回は1990年に邦訳が刊行されたC.J.デイト『標準SQL 改訂第2版 JIS/ANSI/ISO準拠』(トッパン)。 https://www.amazon.co.jp/標準SQL―JIS-ANSI-ISO準拠-アジソン-ウェスレイ・トッパン情報科学シリーズ/dp/4810180190 ああ憧れの第四世代言語(4GL)……と言う表現が適切だったのかはいまとなってはよくわかりませんが、Webアプリケーション普及前、クライアント /…
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収められている「短いコードを擁護する」という文章やライブ・コーディングに触れていることなどから手に取ってみたのですが。 http://filmart.co.jp/books/nextcreator/media_art/…
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ソフトウェア技術書温故知新、第二回は2001年に邦訳が刊行されたアンドレイ アレキサンドレスク『Modern C++ Design』(ピアソンエデュケーション)。 https://www.amazon.co.jp/Modern-C-Design―ジェネリック・プログラミングおよびデザイン・パターンを利用するための究極のテンプレート活用術-‐Depth/dp/4894714353…
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今年読んだ本のうち『社会にとって趣味とは何か』と『メディア・アート原論』に名前が出てきたし、昨年は『ele-king vol.22』掲載のインタビューも読んだし、でも単著は読んだことないや、というわけで毛利嘉孝の現在のところ最新の単著に目を通してみました。 https://www.nhk-book.co.jp/detail/000000911392009.html…
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諸般の事情により業務の学習で購入した書籍を整理することになり、けっこうな量をチャリポン経由で処分しました。しかし中には内容が out of date になっていても愛着があって手放せないものもあります。またそれらを見ていたら以前処分した本のことなどもいろいろ思いだしたりしました。そこでせっかくなのでいくつかを何回かに分けて紹介したいと思います。題してソフトウェア技術書温故知新、第一回はこちら、2001 年に出版された久野靖『入門 JavaScript(My UNIX Series)』(株式会社アスキー)。…
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先ごろ発売されました『三惑星の探求──人類補完機構全短篇3』を持ちまして、コードウェイナー・スミスの全短編の邦訳刊行が完了しました。あなうれしや。未訳作品の役者が伊藤典夫氏でないのは残念ですが、代わりが酒井昭伸氏であは文句のつけようがありません。それに、率直に申し上げて伊藤氏の翻訳を待っていたらあとどれだけかかったか……『第81Q戦争』の訳者あとがきで「近いうちにお目にかけることができると思う」と書かれて早二十年………
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2014年末に国書刊行会から刊行されたサミュエル・レイ・ディレイニー『ドリフトグラス』はディレイニーの中短編をほぼ網羅した(残念ながら「ベータ2のバラッド」が未収)ファン待望の一冊。長らく入手困難だった諸作が手に入るようになっただけでも喜ばしいかぎりですが、目玉はなんと言っても酒井昭伸氏の手による「エンパイア・スター」新訳版収録です。…
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ずいぶん前に池澤夏樹氏のエッセイで目に触れて読んだ本をあらためて読みかえした。もちろん福島第一原発を念頭に置いてである。もはや軽水炉より有利というだけでは積極的に採用を進める理由にはならない。はたしてトリウム溶融塩炉は大規模災害に耐えうるか。 『「原発」革命』 結論から言うと、たしかにトリウム溶融塩炉には軽水炉より優れた点が認められるが、軽水炉にはない欠点もあり、災害の際の被害規模には関しては差がないように思えた。…
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図らずもこの一連の文章は己の無知の告白にもなっているが、柳宗悦氏の息子がデザイナーであることもまた知らないことのひとつであった。おそらくいつかの作品には触れたことがあるのだろう。その経験は私の中にどのように息づいているのだろうかと思う。 ものを使い、ものを介して人とかかわる以上、その経験が人に影響を与えないはずがない。 生きてゆくということは、いろんな人の“仕事ぶり”に二四時間・三六五日接しつづけることだとも言える。そして、「こんなもんでいいや」という気持ちで作られたものは、「こんなもんで……」という感覚を、ジワジワと人々に伝えてしまう。…
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建築の世界にあまり明るくない私も象設計集団の名前は耳にしたことがあった――沖縄県名護市庁舎の設計者として。しかしそれもずいぶん前のこと、もう活動していないだろうと漠然と思っていたので、この本でその名を目にしたときには失礼ながら意外な気がした。しかも事務所は北海道の帯広。廃校になった小学校を驚くほど安く借りうけているという。町山一郎氏は言う――「『そんなにお金がなくても大丈夫』」となれば、やっぱり気楽に生きていける」(p.41)。この言葉は時間にかかわる。続く西村氏の文章を引いてみよう。…
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あいだに挟まれたコラムのひとつで西村氏は深澤直人氏の語った次の言葉を記している。 やはりモノをつくり出していく過程で体験できるいろんな物事を、もっと大切にした方がいい。それは宝のようなものだと、僕らは思うんです。(p.37)…
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『自分の仕事をつくる』はインタビューに基づいて成りたっているが、インタビューを目的にしてはいない。そのためインタビューの分量よりもそれを元に著者の西村氏が検討したり考えたりした文章のほうが多い。故に引用もインタビューイのそれからよりも西村氏の文章からのものが多くなる。と、読んでいない人向けの断りを入れた上で、「1. 働き方がちがうから結果もちがう」の冒頭、「八木保さんをサンフランシスコに訪ねる」から文章を拾いあげよう。…
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まずは「まえがき」から文章を拾いあげてみよう。 教育機関卒業後の私たちは、生きている時間の大半をなんらかの形で仕事に費やし、その累積が社会を形成している。私たちは、数え切れない他人の「仕事」に囲まれて日々生きているわけだが、ではそれらの仕事は私たちになにを与え、伝えているのだろう。(p.5) 様々な仕事が「こんなもんでいいでしょ」という、人を軽くあつかったメッセージを体現している。(p.6)…
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働きはじめてからずっと、と言ってしまってはあきらかに言いすぎだが、それでもことあるごとに、働くことについて考えてきた気がする。 少なくない人がそうであろうと想像するが、私もまた、できれば働かずに生きていきたい怠け者である。しかしいまの世の中よほどの好条件に恵まれないとそんな生きかたは無理だろう。当然のことながら私にもそのような条件はそろっておらず、口に糊するためには稼がなければならない。稼がなければ生きていけない世の中に対していささか含むところがないわけではないが、とりあえずその点については措いておこう。稼がなければならないという事実自体は、まあ認めるにはやぶさかではない。…
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横浜トリエンナーレ2005を機に開設され、トリエンナーレ2005終了後はアーティストや関係団体のスタジオ・事務所、イベントスペースとして活用されてきたZAIM。そのZAIMが2010年3月末でいったん閉鎖されるにあたりこれまでの足跡や入居者の声をまとめたムック。 http://za-im.jp/php/news+article.storyid+448.htm…
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